今日、色彩心理カウンセラーの白土氏とイベントの打ち合わせをした。
8月のテーマは「アルコールと肥満の関係」である。7月のイベントでワインが登場しなかった分(私の出番がなかった分)、今回は張り切ってワインを(私を)登場させようということになった。
ワインの話については、肥満から来る心疾患や脳血管疾患などの話になるとのことだったので、「フレンチ・パラドックス」について話そうかとおもうのだが、このフレンチ・パラドックスのお話、調べれば調べるほど伝え方が微妙になってくる。
極簡単にいうとこうだ。
「フランス人は、アメリカ人やイギリス人と同じように肉や乳製品を食べていて、タバコも思いっきり吸っているのに、心臓疾患による死亡者数が異常に少ない。それは、赤ワインを他の欧米諸国よりも多く飲んでいるからなのだそうだ。」・・・・・この矛盾をフレンチ・パラドックスというらしい。
確かに数字を見ると、様々な学者が発表しているように「心疾患」による死亡率は他の欧米諸国に比べてダントツで低いのだが、「アルコールが起因となる病気」・・・・たとえば癌・アルコール依存症・肝臓疾患などによる死亡率については、他の欧米諸国の2~3倍あるのである。結果として死亡率は他の欧米諸国と変わらないらしい。
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ぉぃぉぃ・・・。
ワインのポリフェノールで心疾患は回避できるけど、その見返りとして別の病気になるリスクがあるって?
フランス人、そこまで飲むなよ!!・・・てかそこまで飲まないとワインの抗酸化作用は働かないのか・・?
わからん。
一応普通に生活している日本人の、心疾患による死亡率は、欧米諸国よりもかなりダントツで低くなっている。まあワインは、健康になるための「薬」と考えるのではなく、素敵な時間を過ごすための一つのアイテムだと考えた方がよさそうである。
しかし・・・・イベントではどんな風にまとめたらよいのだろう・・・・・さて。
一昨日の「オスピスドボーヌ」というワイン、直訳すると「ボーヌ地方の慈善施設」となるらしい。
元々は戦争の災厄と疫病に苦しんでいた人々を救済する目的で立てられたのだが、長い年月の中で「貧しき者達の宮殿」として、病院や宿泊施設として利用されてきた。(当時は治療代も払えないような貧しい人が多かったらしい。)
写真は「オデル・デュー」。通称「神の館」といわれており、その昔ブルゴーニュ公国財務長官ニコラ・ロラン夫妻によって建てられた初代「オスピスドボーヌ」である。
この夫妻半端ではない。
貧しい人々が治療代を払えないと見るや、自分達のブドウ畑をこの「オデル・デュー」に寄進し、畑から作られたワインをオークションにかけることで施設の運営費・人々の治療費を捻出していたのだ。
その後、何世紀にも渡ってムルソーやポマール、ボーヌ各地に同じコンセプトの慈善施設が建設され、これらはまとめて「オスピスドボーヌ」として広く知られるようになっていった。ちなみに様々な人々から寄贈された畑は現在では61ヘクタールにもなり、現在も増え続けている。
日本にはこういう文化はないな・・・・・。
写真の初代「オスピスドボーヌ」は現在、博物館になっている。もちろんこの入館料や他の施設からの収益、またオスピスドボーヌが所有する畑からできるワインの収益の全てが、施設の運営など病人や貧しい人々を施す精神のもと使用されている。
ちなみにオスピスドボーヌで作られたワインは、他に流通することなくすべてオークションにかけられる。毎年11月の第3週に行われているのだが、畑はコート・ド・ボーヌを中心とした特級畑と一級畑から成っているため、オスピスドボーヌの落札価格はその年のブルゴーニュワインの相場に大きくかかわっている。世界中が注目しているのだ。
オスピスドボーヌのワインを購入することは、それ自体が慈善事業の一端を担うことである。
私はいつか必ずオークションでムルソーを競り落とし、当店の名前をラベルに入れて皆さんに振る舞おうと思う。
やってやるぜ。
