昨日カウンターにいらしたお客様とこんな会話があった。
「やっぱりワインは和食じゃなくて洋食に合わせた方が美味いね。」
「そうですか?ありがとうございます。」
「和食にワインを合わせるのは邪道だよ。日本酒とか焼酎があるんだからさー。」
「・・・・・・・・・・。ビールなんかも和食にはよく合いますよね。」
まあ、何気ない会話である。
その方は初めてご来店されたのだが、当店の料理(洋食)とワインの相性がとても素晴らしく、ワインダイニングとしてかなり優秀であると褒めてくれたのだ。
もちろん私も、フレンチやイタリアンの郷土料理的なものと、その土地で作られたワインとの相性は知っているし、そのマリアージュをお客様に知っていただきたくて、現在のお店のスタイルを続けている。そしてその集大成ともいえるお店を褒めていただいたのだから、喜ぶべきなのだろう。
しかし、「邪道」といわれるのがどうも引っかかってしまうのだ。
「じゃあ、和食をメニューにおいて、そのマリアージュもお客様にアピールした方がいいんじゃないの?」と言われそうだが、・・・・・・・う~ん、そういうことではないのだ。
何が言いたいかというと、もっと自由な発想でワインを楽しんで欲しい、ということなのだ。
私は、将来日本人がちゃぶ台でワインを楽しめる日が来るように、本気で活動されているソムリエールを師匠に持つが、多分私が「そうですね~。やっぱ邪道ですよね~。」などといったら、きっと破門されるであろう。
我々は、ワインが私たちの生活の良きスパイスとなって、人生に厚みを与えてくれるようにしたいと思っている。だから、ワインの楽しみ方は10人ワイン好きがいたら10通りでいいと思う。
周りのお客様を気にして、はっきりとこのことを伝えられなかった私はまだまだである。
お昼がハンバーグステーキ フォンドヴォーソース・・・・・・・。
そして夜がマーボ茄子・・・・。
・・・・・あの~・・・シェフ。これは本当にダイエットメニューなんでしょうか?
・・・・・・・・・・・・。
彼のハンバーグは、私が彼の料理に惚れるきっかけになった料理である。・・・つまり超うまうまなのである。
それに、彼のマーボー茄子とマーボー豆腐は陳建一のマーボー豆腐と同じ味がするのだ。修行時代、当時彼とお店を二分していたシェフ(現とう●庵の料理長)が、東京の陳建一の店にマーボー豆腐を食べに行って、帰ってきたときの第一声が「千葉さんのマーボー豆腐と同じ味がしましたよ。わざわざ東京まで行くことなかったです(笑)」だったのだ。
みんな「おおおおお」と唸っていたのは言うまでもない。
まあ・・・・美味いに決まっている。
・・・・・食べ過ぎるに決まっている。
・・・・・・・・・・・・・・太るに決まっている。あうあうあうあう・・・・。
こりゃ食事制限だけではダイエットは無理だな。やりたくないけど・・・運動するか。
というわけで、千波湖でマラソンでもするかな。
テロワール、聞いたことがある方はどれくらいいるだろうか。
ワインの個性を表現するときにはテロワールという言葉がけっこうでてくる。一言で言うと「ブドウが生まれ育った土地の個性」をテロワールという。
例えば「シャブリ」というワインがあるが、シャブリとはワインの名前でもあるが、実は土地の名前でもある。このシャブリという地区は昔海の中に沈んでいたことがあり、土壌には大量の貝殻が混じっているのだ。では土壌に貝殻が混じっているとどうなるのか・・・・。
ズバリ、ミネラル感のある味わいになるのである。
このミネラル感はシャブリのテロワールといえる。また、同じ貝殻の混じった土壌でも、石灰質が多くなるとどうなるのか・・・。
ロワール地方のサンセールなどが有名だが、ズバリスモーキーな味わいになるのである。
もちろん、土壌の個性だけではなく、気温や日照時間、雨量や風などもその土地固有のものであるからテロワールと呼べる。
まあ語りだしたらキリがないが・・・・。
昨日、このテロワールの話をとあるビールメーカーの営業の方に言ったら、面白いことを言っていた。
「水戸の人々のテロワールは面倒見の良さですね。」
私はそれを聞いて思わず唸ってしまった。
なるほど・・・・その営業マンも私も水戸出身ではないが、確かに水戸の人たちはあたたかい方が多い。県外や他の土地に移らず、水戸にとどまって昔の同級生などの仲間同士で和気藹々とやっているイメージだが、他の土地の人間とでも、仲間になったときの結束力・団結力はかなり強い。
間違いなく私の地元よりも強いだろう・・・。
私も水戸に来てからの10年間で、たくさんの水戸の方々に助けていただき、そして今でもかわいがっていただいている。
ブドウにたとえるのは失礼だが、もしかしたらこの関東平野のど真ん中の、「食」にも「気候」にも恵まれているところでのびのびと培ってきた人々の文化自体が、面倒見が良いというテロワールを作り出しているのか・・・。
「時代が変わってもこのテロワールは変えて欲しくないですよね~」・・・・とその営業マンも言っていた。
たしかに。である。