
そもそも私が飲食店経営をしようと思ったきっかけは、小学校低学年までさかのぼる。夫婦仲の悪かった私の実家は、5歳年下の妹ひとりをいれた4人家族だった。
父親はサラリーマンだったが、今思えばかなりの出世街道にいたのではないだろうか。昭和50年代、友達の家がみんなまだ貸家だった頃、家は大きな一戸建てを新築で建てていたからだ。
結局、両親は私の就職と妹の卒業を待ち離婚したのだが、やはり子どもの頃から両親の喧嘩する姿は絶え間なくあり、家の中もなんとなく常に暗いイメージだったのを覚えている。
ただ、稼ぎのよかった父親は、毎週のように家族を外食に連れて行ってくれた。寿司屋あり、鰻屋あり、天ぷら専門店に釜飯や豆腐の専門店など、数え上げたらきりがないかもしれない。(もっとも私たち兄弟は当時出来たばかりのファミリーレストランにいきたかったけど。)
中でも私たち兄弟のお気に入りは、家から歩いて10分くらいの洋食屋さんだった。今ではあまり見かけなくなったが、ポークピカタやビフテキなど、当時にしてはかなりハイカラな料理を美味しく食べさせてくれるお店だったと思う。
私も妹も、お気に入りはチキングリル。美味しかったなぁ。お店のお姉さんがまた優しくて、よくチョコレートパフェをサービスしてもらったっけ。
美味しい料理にやさしい接客、素敵な店内と素敵な音楽。お気に入りだった理由は好きなものが多かったからだけではない。父親も母親も、妹も私も、お店にいるあいだはみんな笑顔。・・・・あの家での暗い雰囲気なんかみんな忘れてた。
飲食店のもつ「パワー」はすごい。
私が実際このことに気付いたのは20代の半ばのことだが、幼い頃からのレストラン体験がなければ今こうして飲食店で起業はしていなかっただろう。(もっと儲かる仕事をさがしてたはず。・・・なんちゃって)
ところで、写真の彼は私ではない。私の修行時代の戦友千葉君である。おそらく彼の力を一番理解しているのは私だろう。(性格も・・・)今は縁があり、私に力を貸してくれている。もっとも、私は彼の料理を見ながらソムリエとしてワインをサーヴし、彼の料理を食べたお客様の感嘆の声を聞いて5年も過ごしてきたから、私にとっては尊敬するに値する人物である。(ちなみに同じ年)
私はこのヴァンドシゴーニュを宇宙で一番愛される飲食店にしたいと思っている。そのためには、彼の力が絶対に必要であり、彼抜きで私の理想のお店は出来ない。
私が起業して丸2年、彼が入社して2ヶ月。宇宙で一番愛されるお店になるため、やるべきことは全てやろう。そして笑顔のお客様をたくさんお相手しよう。
やってやるぜ!!